弔電の文例番号と注意

NTT東日本の電報サイトには、電報、弔電の文例が多数あり、文例番号として、文例に番号が振られている。電報、弔電の際には、その文例番号と台紙を選び、弔電の文例の●●●とされた部分に敬称を入れて依頼することになる。
例えば、「●●●様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」という弔電の文例が、あったとする。
この●●●様に、適切な敬称を入れることになる。
例えば、弔電の送り先が男性で、その奥さんの父が亡くなったとする。弔電で使うべき敬称は、御岳父様(ごがくふさま)である。
慣れている人ならいいが、いきなり正しい敬称を使うのは、案外大変なことかもしれない。単純に弔電の文例番号と台紙、敬称で注文、依頼できるとはいえ、敬称のチェックは、しっかり行いたい。故人に対する最後の礼なのだ。同じNTT東日本の電報サイトには、この敬称についての解説も掲載されている。やや見難い表ではあるが、ゆっくり読めば理解できるので、お勧めしておきたい。またこの敬称は、弔電に限らず役にたつことが多い。NTT東日本の電報サイトの敬称は、チェックしてほしい。

さて、先ほどの例の通り敬称を入れてみよう。

「御岳父様様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心から、故人のご冥福をお祈りいたします。」

どうだろうか、これで弔電として、いいだろうか。相手のご家族が、仏教であれば、問題のない弔電の文例だ。無宗教であっても大丈夫な弔電の文例でもある。しかし、故人やご遺族が仏教徒でない場合、キリスト教徒、プロテスタント、カトリックなどであれば、それは、大変な失礼にあたる。場合によっては、「汚された」とまで思われることもありえる。冥福は仏教の言葉なのだ。
思想、信条、宗教を、普段意識しないで暮らす人が、日本では多いだろう。しかし、それは故人の人生の最後においては、重要なことになる。弔電の際には、注意し、心を尽くしたい。
そして、故人も、キリスト教の中でも、正教会の場合は問題になる。故人ではなく永眠者と言うのだそうだ。

では、弔電を変えてみよう。

「御岳父様様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心から安らかにご永眠されますようお祈り申し上げます。」

これでどうだろうか。この弔電なら問題ないだろうか。
まだリスクがある。「逝去」である。「逝去」を使わず「永眠」ならいい。あるいは、訃報とする。訃報は、問題ない

では、弔電を直してみよう。

「御岳父様様の訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心から安らかにご永眠されますようお祈り申し上げます。」

キリスト教の対応や、一般的に避けるのが妥当な言葉は、別の記事にしておく。
まずは、弔電の NTTの文例番号、あるいは、他の弔電のサービスでも文例を使う際には、敬称と相手の宗教に、少し配慮、注意をしておきたい。

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